取材風景/中医協を巡る取材合戦

 厚生労働省の審議会の中でも最も注目されているのが、中央社会保険医療協議会(中医協)です。これは、私にとっても重要な取材対象となっています。
 中医協は通常、隔週くらいで、水曜日の午前中に開催されます。ただし、2年に1回の診療報酬改定の前年11月から約3カ月は集中審議となり、週2回の開催となります。
 厚生労働省のホームページで約1週間前に、中医協開催の案内が出ます。

 中医協の傍聴(取材)ができるのは先着順で、会場にもよりますが約100~200名の席があります。ただし、記者クラブ加盟社については、その中で、あらかじめ席が用意されています。
 そこで、私など「フリー」の者、記者クラブ非加盟社の人たちは、早朝から順番取り(席取り)のために並ぶことになります。実際、そこに並んでいる人たちの半分以上は製薬会社の人たちでしょう。特に、中医協の総会と併せて薬価専門部会が開かれる日は、製薬会社の人たちが目立ちます。

 私の場合、中医協開催の当日は、目覚まし時計2台を少しの時間差でセットし、午前3時15分に起きて、軽い朝食。最寄りのJR中央線・西荻窪駅発4時36分の電車(一番電車)に乗り、JR四谷駅下車。地下鉄丸ノ内線に乗り換え、霞ヶ関駅下車(5時15分)。厚生労働省の建物に入り、所定の場所に鞄とカメラバッグを置きます(5時20分)。これで、順番取り完了(常連により、このようなルールができています)。この時間だと、トップから10番以内に並ぶことができます(会場によっては、厚生労働省側が整理券を配ります)。
 近くの待合所に移動し、椅子に座り、ノートパソコンを使って8時頃まで一仕事。また、カロリーメイトで2回目の朝食。

 8時30分から所定の場所で受付が始まり、中医協の会場へ入ります。

 集中審議の時期は傍聴者も多く、傍聴(取材)の順番取りのために午前7時半くらいに並んでも、入れないこともあります。

 平成30年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて、平成29年10月下旬から同30年1月末までは集中審議で、年末・年始の休みを挟み、水曜と金曜の週2回開催になりました。
 平成30年2月7日、平成30年度診療報酬改定について、中医協が答申(下写真)。いつものように一番電車で出かけ、トップで並びました。近年、中医協の答申の時はいつも一番電車で行くのですが、それでもトップに並ぶのは今回が初めでです。また、過去の答申の時と比べると、平成30年の1月はとにかく寒かった、という印象です。

 次は、もう「平成」とは呼ばれていない2020年度の改定。2019年10月に消費税率の引き上げが予定されており、介護保険と事実上の同時改定になりそうです。

下写真は、平成30年2月7日に開催された中医協・総会、副大臣への答申書の手交(厚労省・講堂にて)